
宝塚花組
『復活~恋が終わって愛が残った~/
カノン~ Our Melody ~』
2012年3月15日(木)
18:30開演
東京宝塚劇場
1階中程センターで観劇
芝居、ショーとも楽しめた。
特にご贔屓の役者がいなくても楽しめたわけだから、私基準で出来のいい公演に認定(笑)。
やっぱり、元は作品(脚本/演出)だよなぁ…としみじみ思った公演だった。
『復活』
原作:トルストイ
脚本・演出:石田昌也
原作を読んでないから、どういう原作からできあがった脚本かはわからないけど、良かった。
ロシア文学だし、厚い本なんだろうと想像するのだけれど、良くまとまっていて、えぇ?というところもなかったし。
主人公のネフリュードフは、本心が解りづらいというか、ちょっとつかみどころのない男だったけど…(笑)
カチューシャへのネフリュードフの思いを舞台からくみ取ると、若かりし頃は、遊びとまではいかなくても、軽い気持ち。
別れ際にお金を渡して「あって困るものじゃないだろう」とだけ言って去っていったわけだから、誤解と言いようがもない。
後年再会した時には、自分の軽はずみな行動が相手をひどく傷つけ、人生をねじ曲げてしまったと知って後悔する…罪の意識を覚えたところから端を発して、贖罪と紙一重の「人間愛」的な愛情を向けている。
結婚しよう、とか、愛しているとか言うけど、恋愛には思えなかった。でも、最後にカチューシャと結婚した男を殴っているし、ちょっとは「男」としての想いもあったのかな…。
ネフリュードフは、若かかりし頃から革新的な思想に寛容な人物(官警から「主義者」を匿ってあげたり)。
そんなネフリュードフが、爵位返上、農奴解放…と進んでいこうとするのは、なにもカチューシャのためにというわけではなく、カチューシャに端を発して「革命的思考」に目覚め始めた結果なんだと思う。
その「革命的思考」が、イコール「人間愛」だというところがおもしろい。
そして、作品中で最も印象的だったのは、ネフリュードフの悪友シェンボック(壮一帆)が、
土地を与えるということは、彼ら自身ですべてを管理しなければいけなくなるということだ。何の準備もなく突然そんなことをされて、それは本当に善意となるのか?
と言うような内容のことをネフリュードフに投げかけていたこと。
自由、自由って人は自由を求めるけれど、自由には予想外の責任が降り懸かってくる。それこそ、時には生死に関わるようなこともあるかもしれないわけで。
そして、自分にとって良くない状況に陥っても、怒りの向け場もない。
そこで責任を自分自身に引き受ける強さがなければ、あとは逆恨みを積み重ねて身を持ち崩すしかないわけで…原作にこうした台詞が元々あったのか、石田先生の言葉なのか、気になるところ。
続きを読む